futou店主が2020年に買ってよかった器

futou店主が2020年に買ってよかった器をご紹介します。とはいえ、すべて見ていくと日が暮れてしまいますから、 厳選に厳選を重ねた少数精鋭たちをさくっとご紹介したいと思います。futouでは店主自身が実際に使って良いと思った作家の作品のみを取り扱っていますので、今回ご紹介する器の中にも、現在店頭に在庫があるものもございます。ぜひ年始のお買い物の参考にでもなさってみてください。

よかったその①:フリーカップ/湯呑類


夏あたりから「持ち手のついていないカップでアイスコーヒーとか飲むとかなり渋いのでは…」という気分になり、フリーカップ類や湯呑類を集め始めました。その気分は継続中で、今や何を飲むのにも使っています。自分の中では完全に定番化しました。熱い飲み物もそれほど気になりません。ハンドル付きのマグカップを揃えた後にぜひチャレンジしていただきたいアイテムです。



金澤尚宜さん(熊本・天草)のストレートカップ。容量は150ccくらいでやや少なめ。大量に作った水出しアイスコーヒーを少しずつ注いで飲むとなんだか気分が上がります。冬場は店でお水を飲むのに毎日使っています。



同じく金澤さんのカフェオレボウル。大容量でコーヒー・チャイ・ほうじ茶などをたっぷりと注ぎ、熱さもお構いなしに使っています。実際、一番膨らんでいる部分を持つと熱さは気になりませんし、注いで暫くしてからは全体を手のひらで包んでじんわりと暖かさを感じられて非常に良い感じです。こちらのパープルベースに緑の斑点が顕れた模様のカップは金澤さんとしてはやや珍しく還元焼成で焼き上げられており、夏頃に金澤さんの天草のアトリエに訪問した際に購入しました。ほぼ毎日使っているお気に入りの逸品です。

ご紹介したものと全く同じものはありませんが、最近金澤さんにお願いして、ストレート型・ボウル型ともにいくつか送っていただけましたので、ぜひ店頭で気に入るものを見つけていただければと思います。



木村年克さん(滋賀・大津)の”黒流銀彩”フリーカップ。そもそもはぐい呑のようにお酒を飲むことを想定されて製作されたものですが、店主は主にホットコーヒーを飲むのに使っています。180ccほど入るのでおやつと一緒にちょっと一服するのに丁度良いサイズ感です。今年の信楽セラミックアートマーケットで購入しました。使い勝手の良さと迫力ある見た目の渋さにすっかり惚れ込み販売用のオーダーもお願いしていたのですが、年内に滑り込みで入荷してきました!もちろん酒器としても活躍間違いなしだと思います。独特の存在感をぜひ店頭でご確認いただきたい逸品です。



山口和声さん(三重・伊勢)の湯呑。東京の高島屋で開催された民藝展で購入しました。こちらは自宅で水やお茶を飲むのに毎日使っています。民藝調の彫り模様とまるで水苔のような深い緑のテクスチャがたまりません。現状当店での取り扱いはありませんが、いつかオーダーをお願いできるといいなと思っています。

よかったその②:佐川義乱さんのプレート

今年はプレート類もたくさん買い、お気に入りは他にもいくつもあるのですが、稼働頻度で考えると佐川義乱さん(茨城・水戸)の2アイテムが上位に来ることは間違いありません。


4色(アースカラー)のリムプレートLサイズです。8寸くらいあるサイズ感で、主菜用のプレートとしてはもちろん、カレーとサラダ・パスタとサラダ・適当に炒めた肉類とライス・チキンオーバーライス風の何かから果てはチヂミ・お好み焼き・ホットケーキなどなど…雑なワンプレート飯を盛るのに最適でついつい手が伸びました。一見派手にも見えますが、盛り付けると余白部分から覗く模様が良いアクセントになって料理を映えさせてくれます。当店では既に大人気の商品ですが在庫はまだいくつかございます。



”指描”柄の7寸皿です。上のリムプレートに負けず劣らず活躍してくれました。少し深さがあるので、汁気の多いパスタやカレーにぴったりです。化粧土を指でなぞって模様をつける”指描”と称する手法で作られる佐川さん独自のスリップウェアは機能性もさることながら所有欲も満たしてくれる素晴らしい作品だと感じます。こちらも店頭に在庫はございます。他の色もありますのでぜひ見ていただければと思います。

よかったその③:西山奈津さんの丼

長年しっくりくる丼鉢を見つけられず、ここ暫くは無印良品の白磁の丼で凌いでいたのですが(これはこれで使いやすくて良いものでした)、ようやくコレというものに出会えました!2020ベストバイ中のベストバイはこれかもしれない。


西山奈津さん(栃木・益子)の丼鉢・ブロンズ色です。丼としてはやや小径ですが高さをしっかりと出して十分な容量を確保しています。この独特の緊張感すら漂わせる形状がツボでした。高台の高さもちょうど良く、指がかかりやすく持ち上げやすいです。薄く成型されており軽量で使い勝手も抜群。非常に完成度の高い丼で、豚汁をはじめとした具だくさんの味噌汁・うどん・そば・ラーメン用として日々大活躍してくれています。これは心底良い買い物でした!色はダークな輝きと上品な釉薬の動きが美しいブロンズ色をチョイス。


今なら店頭にブロンズの他にも糠粉引(白)・糠青磁(水色)が揃っています。中でも新入荷した糠青磁は丼ではあまり見かけない色と釉薬のダイナミックなドロドロ具合が楽しく、他にはない丼をお探しの方には刺さるのではないでしょうか?個体差も大きなものを頂けましたので、お好みの個体を見つける楽しさもあるかと思います。使いやすく美しい大変おすすめのアイテムです!

番外編:斎藤清『競艶』(複製画)


店内には何枚か絵を飾っていますが、最も頻繁に「誰の絵ですか?」と聞かれるのがこちらです。日本を代表する木版画家 斎藤清の『競艶』という作品。福島県にある斎藤清美術館のオンラインショップで複製画を購入しました。


素朴ながらモダンで新しさすら感じさせる画風がとても素敵で、店内によく馴染んでいると思っています。額付きにしても手頃な値段で手に入りますので、気になった方はぜひオンラインショップをご覧になってみてください。他の作品も大変素敵です。

ご紹介は以上となります。何かの参考になれば幸いです。futou / 埠頭 は年明け2日から新年の営業を開始いたします。今回ご紹介した作品も在庫があるものは店頭に並べておきますので、気になった方はぜひ遊びにいらしてください。ご来店を楽しみにお待ちしております。

それでは皆さま、よいお年をお迎えください。